競争政策研究所

将来の研究所を目指して、独禁法、競争法、競争政策関連の考察をしています。

学校制服と競争

朝日新聞を中心として、学校の制服の価格が高止まりし、家計の負担となっているとの指摘がなされています。 制服、英国でなぜ安い? 日本の6分の1、政府も後押し:朝日新聞デジタル (けいざい+ 深話)制服をもっと安く:上 お古に商機、母の知恵:朝日新…

スマホOSのシェア

経済産業省の「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書 」*1(以下、「経産省報告書」と言います。)と、公正取引委員会の「携帯電話市場における競争政策上の課題について」*2(以下、「公取委報告書」と言います。)でスマートフォン(OS)のシェ…

第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(3)内容

前回、前々回の記事の続きです。 第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(1)報道 - 競争政策研究所 第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(2)形式など - 競争政策研究所 今回は「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書 」*1(…

第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(2)形式など

前回の記事の続きです。 第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(1)報道 - 競争政策研究所 今回は「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書 」*1(以下、「報告書」と言います。)の内容(ただし、主に形式面)について検討したいと思いま…

第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書:(1)報道

経済産業省が「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会 報告書 」*1を公表しました。(以下、「報告書」と言います。) 関連のブログ記事 デジタル関連分野への注力 - 競争政策研究所 今回は、報告書ではなく、報告書に対する次の記事について検討したいと…

(記事紹介)なぜ日本人ばかりが米国で投獄されるのか?

今回は次の記事を紹介したいと思います。 business.nikkeibp.co.jp よくある米国弁護士による自動車部品カルテルの感想や日本企業のコンプライアンス体制へのコメントのようでしたが、いくつか面白いコメントがありました。 アンカー・カプール氏(以下カプ…

デジタル関連分野への注力

前回のアマゾンジャパンに対する立入報道の関連です。 最恵国待遇条項 - 競争政策研究所 このようなデジタル関連分野への公取委による注力はどのように示されているでしょうか。主に法執行面から検討したいと思います。 まず、直近では「日本再興戦略2016-…

最恵国待遇条項

アマゾンジャパンに公取委が立ち入りをしたとの報道がなされています。調査の対象となったのは、「最恵国待遇条項」と称されるもののようです。具体的には下記となります。 「今回の公取委の調査の対象となっているとされる取引条件は、『最恵国待遇条項(mo…

教科書事件と警告・確約制度

「義務教育諸学校で使用する教科書の発行者に対する警告等について」の公表に際して、平成28年7月6日に事務総長定例会見が行われました。 平成28年7月6日付 事務総長定例会見記録 :公正取引委員会 総長定例会見の中で興味深い発言があったので紹介したいと…

欧州委員会の「警告」/異義告知書(Statement of Objections )

グーグル社の広告やショッピングに関連する行為について、欧州委員会が異義告知書(Statement of Objections )を発出しました。 European Commission - PRESS RELEASES - Press release - Antitrust: Commission takes further steps in investigations all…

酒の廉売規制

酒の廉売を規制する酒税法の改正がなされたました。これは議員立法によります。 概要や法律条文は下記にあります。 酒税法等の改正のあらまし(平成28年6月)|酒税関係法令等の改正|国税庁 報道では、酒の安売りを過度に規制し消費者の利益を損なうもので…

押し紙の報道(2)考察

押し紙報道の発端となった杉本公正取引委員会委員長講演(2016年2月15日)について、考察します。 経緯は前回のブログをご覧ください。 押し紙の報道(1)講演での発言概要 - 競争政策研究所 前回の最後に以下の考察を述べました。それらを詳述します。 質問者…

押し紙の報道(1)講演での発言概要

2016年2月15日の杉本公正取引委員会委員長の日本記者クラブでの講演が一部で話題になっています。次のサイトにはyoutubeの講演動画へのリンクもあります。 www.jnpc.or.jp 話題になっているのは「押し紙」についてのみです。それも講演本体でなく質疑応答で…

課徴金減免制度の適用事業者の公表(3)まとめと雑感

徴金減免制度の適用事業者の公表(1)概要 課徴金減免制度の適用事業者の公表(2)影響の考察 の続きです。 リニエンシーは囚人のジレンマゲームなのであって、事後的であれ、透明にしたらだめでしょう。公表されるのならだれも公益通報しないでしょ。 — 有馬猪…

課徴金減免制度の適用事業者の公表(2)影響の考察

前回 徴金減免制度の適用事業者の公表(1)概要 の続きです。 今回の運用変更には例えば下記の批判がありました。 実際にどのような影響が起こり得るか検討したいと思います。 リニエンシーは囚人のジレンマゲームなのであって、事後的であれ、透明にしたらだ…

課徴金減免制度の適用事業者の公表(1)概要

過去の記事の中でリニエンシー関連の記事の閲覧数が比較的多いので、今回もリニエンシー関連の分析をしたいと思います。 2016年5月25日、公正取引委員会が課徴金減免制度の適用事業者について、従前は希望者のみ公表していたものを、一律に公表することを発…

キリン/アサヒ社長対談と独禁法(5)マスコミと独禁法

キリン/アサヒ社長対談と独禁法 (1)記事の概要 (2)シェア配分カルテルや価格カルテル (3)黙示による意思の連絡 (4)コンプラ体制 の続きです。 今回は対談からマスコミと独禁法の関係を考察します。 マスコミと独禁法との関係としては、加藤化学株式会社に対…

キリン/アサヒ社長対談と独禁法(4)コンプラ体制

キリン/アサヒ社長対談と独禁法 (1)記事の概要 (2)シェア配分カルテルや価格カルテル (3)黙示による意思の連絡 の続きです。 これまで対談のカルテル該当性について考察してきました。 今回は2社のコンプライアンス体制について、調べてみたいと思います。 …

キリン/アサヒ社長対談と独禁法(3)黙示による意思の連絡

キリン/アサヒ社長対談と独禁法 (1)記事の概要 (2)シェア配分カルテルや価格カルテル の続きです。 前回は対談をカルテルの合意として構成する方向で考察してみました。 それでは、対談が間接証拠となる余地はあるでしょうか。 カルテルの合意は明示のものだ…

キリン/アサヒ社長対談と独禁法(2)シェア配分カルテルや価格カルテル

前回記事 キリン/アサヒ社長対談と独禁法(1)記事の概要 - 競争政策研究所 の続きです。 対談記事名には「もう無益なシェア争いはしない」とあります。対談の中で「シェア争いはしない」とお互いに明示的に合意したのかまではわかりませんが、 「シェア争いで…

キリン/アサヒ社長対談と独禁法(1)記事の概要

少し古い記事ですが、週刊ダイヤモンドで、布施孝之キリンビール社長と小路明善アサヒビール社長の対談が掲載されました。 diamond.jp この記事によると、下のようなやり取りがあったようです。 対談抜粋(1) 小路 これまでわれわれは4社で激しいシェア争いを…

コンデンサカルテルのリニエンシー

2016年3月29日、コンデンサのカルテルについて、公正取引委員会が措置を公表しました。課徴金額が約67億円であり、相当の規模のカルテルだったようです。 (平成28年3月29日)アルミ電解コンデンサ及びタンタル電解コンデンサの製造販売業者らに対する排除措置…

ブログの紹介

将来の研究所を目指して、匿名で独禁法、競争法、競争政策関連の考察をしています。 twitterにて更新告知しています。 twitter.com 是非ともコメントをいただけるとありがたいです。コメントは原則として反映します。 コメントを受けて内容を変更する可能性…