競争政策研究所

将来の研究所を目指して、独禁法、競争法、競争政策関連の考察をしています。

新潟県の地銀が経営統合との報道

3週間連続で銀行関連の記事となってしまいました。

 

新潟県で最大手の第四銀行と二番手の北越銀行が経営統合するとの報道がありました。

地銀再編、次は新潟で第四・北越が経営統合へ | 週刊ダイヤモンドSCOOP | ダイヤモンド・オンライン

 

両行とも、経営統合は決定していないものの、検討自体は認めています。*1

 

両行の県内の貸出市場の合計シェアは約50%とされています。*2

一部報道によれば、シェアは69%に達するとありました。*3しかし、その報道でのシェアのソース*4を見ると、「新潟県内の地銀から信組までの23金融機関の貸出金合計」を分母にとっており、都市銀行政府系金融機関の数値を捨象しているため、シェアが上振れしていると考えられます。

また、「シェア69%」については、両行の県外向け融資残高も含まれているので、県内のシェアとしては、やはり50%程度のとの報道もありました。*5ただし、この推計に基づけば、両行の融資残高の相当程度が県外向けでなければ辻褄が合いません。両行は他の県内金融機関に比べて、県外向け融資の割合が高いようには思えますが、それだけでシェアが2割も変わることについては疑問があります。

 

このシェア50%という数字は、長崎の銀行経営統合後では60%以上とされているのに比べると、低く感じられます。

*6

しかし、もちろんシェア50%とは非常に高い数字ですので、上述の報道でも指摘があるように、公取委の審査が注目されます。

 

ところで、今回の調査の過程で、3月8日の長崎県での説明会について、ある程度内容の分かる記事を見ました。

www.kinzai.jp

さらに地銀の話題が続きますが、来週は上記の記事について取り上げたいと考えています。